でん粉
でん粉とは、植物の光合成によって作られる炭水化物です。
でん粉は、工業用途にも広く利用できます。
でん粉と水を加熱し、水和することで、いわゆる「でん粉糊」となります。
でん粉糊は、主に紙同士を接着する際に用いられる、一般的な水溶性接着剤で、接着剤、塗料の基材として使用することができます。
でん粉粉末やでん粉糊の結着性を活かして、セラミック坏土で作られる仮成型品の保形性向上やセラミック粉末のバインダー機能が期待できます。
でん粉は360℃程度で急激に灰化し、ほぼ100%消失します。
焼結工程など、上記の温度以上の加熱工程があるアプリケーションでの応用も想定されます。
製紙業界でパルプ剤を絡ませるための添加剤として、でん粉は長年利用されています。凝集作用に影響するでん粉の分子サイズや電荷(アニオン、カチオン)は、デザインが可能です。
でん粉は、皮膚への刺激性や環境への負荷が非常に低い食品素材です。
打ち粉や滑り剤として、安全性の高い粉末と言えます。
でん粉やでん粉分解物は、様々な用途に向けた有効成分の保持剤や賦形剤として、利用されています。また、でん粉は水和されることで、水溶性のフィルムを形成します。水溶性のフィルムですので、例えばマスキングに使用した後に水で洗い流すことも可能です。
更には、でん粉に食品用途も認められている加工を行うことで、乳化能を示す加工でん粉が得られるなど、様々な応用が期待できます。