希少糖「D-アルロース」の社会実装と最新研究を 『生物工学会誌』で紹介 ~大量生産技術の確立から機能性表示食品の実用化まで~
NEWS2026.07.17
松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市、代表取締役社長:阪本紗代)は、
当社研究第一部 酵素・素材G 課長 島田研作による寄稿記事が、『生物工学会誌』(第104巻第6号、2026年)に掲載されたことをお知らせします。
本稿では、希少糖「D-アルロース」の大量生産技術の開発から、生理機能の解明、機能性表示食品への応用、
さらには社会実装に至るまでの取り組みについて紹介しています。
酵素開発と臨床研究の両面から、D-アルロースの実用化を支えてきた研究成果を解説しています。
背景
D-アルロースは、自然界にごくわずかしか存在しない希少糖の一種です。
砂糖に近い甘味を持ちながら、エネルギーは約0.39 kcal/gと低く、近年では健康価値を持つ食品素材として注目されています。
一方で、普及には大量生産技術の確立や科学的根拠の蓄積が課題となっていました。
本寄稿では、当社が長年取り組んできた生産技術開発と生理機能研究を通じて、D-アルロースの社会実装をどのように進めてきたかを紹介しています。
主な内容
本寄稿では、D-アルロースの実用化を支える技術と研究成果について紹介しています。
•耐熱性酵素を活用した大量生産技術
D-アルロース製造の基盤となる異性化酵素について、耐熱性を向上させた酵素の開発により、生産効率の向上と製造コストの低減を実現しました。
これにより、D-アルロースの安定供給と社会実装を支える生産技術を確立しています。
•脂肪燃焼促進作用
ヒト試験において、D-アルロース5g摂取により軽度運動時や安静時の脂肪燃焼が促進されることを確認しています。
これらの研究成果をもとに、科学的根拠の蓄積を進めています。
•食後血糖値上昇抑制作用
健常成人を対象とした臨床試験では、D-アルロース5gを含む飲料の摂取により、食後血糖値の上昇を有意に抑制することを確認しました。
•機能性表示食品への展開
脂肪燃焼促進作用および食後血糖値上昇抑制作用について、システマティックレビュー(PRISMA2020準拠)を実施し、科学的根拠を構築しました。
これらの成果をもとに、D-アルロースを機能性関与成分とした機能性表示食品の開発・商品化を進めています。
•食品表示制度への提言
D-アルロースは極めて低カロリーでありながら、日本では糖質・糖類として表示される現状があります。
本稿では、海外の表示制度との違いや、食品表示制度の見直しに向けた業界団体の取り組みについても紹介しています。
今後の展望
松谷化学工業では、希少糖「D-アルロース」のさらなる普及・定着に向け、生産技術の高度化と生理機能の解明を両輪として研究開発を推進しています。
今後も、科学的根拠に基づく機能性素材の研究開発を通じて、食品メーカーの商品開発を支援するとともに、
人々の健康維持・増進に貢献する素材提案を進めてまいります。
